事実婚ずるい | kekkontetsuzuki.com

事実婚とは、法的な手続きを経ないで、長期間にわたり同居しているカップルのことを指します。日本の法律では、「結婚」という言葉は、民法第731条に基づいて男女間で成立する法的な契約を指しますが、事実婚はこの正式な手続きを経ないため、法律上の婚姻関係とは異なります。しかし、事実婚においても、一定の法的権利や義務が発生することがあります。

日本の民法における事実婚の取り扱い

日本の民法第731条は、「結婚」とは、男女が「婚姻届」を提出し、法律に基づいて結婚関係を成立させることを定義しています。一方、事実婚は婚姻届を提出せずに、社会的・家庭的に夫婦としての関係を維持している状態です。法律上、事実婚においては夫婦の権利や義務は明文化されていませんが、例えば、一定の条件を満たすと「共同生活」の認定を受けることができます。

民法第752条（婚姻における義務）と事実婚

民法第752条では、婚姻関係にある男女に対して、「互いに協力し、扶養し合う義務」があることを定めていますが、事実婚の場合、この義務が明確に適用されるわけではありません。しかし、実際には、事実婚における生活を維持するために、同居している者同士が生活費や共通の財産を管理する責任を負うことが一般的です。

事実婚における法的な問題

相続権

事実婚には法的な相続権が発生しません。正式に婚姻関係が認められた配偶者には、民法第896条に基づき、相続権が与えられます。しかし、事実婚のカップルにはこの権利が適用されず、パートナーが亡くなった場合、法律的な相続権はないため、遺言書などで明記されていない限り、財産を相続することはできません。

離婚における扱い

事実婚における「離婚」については、婚姻届を提出していないため、法的な離婚手続きは不要です。しかし、解消する際には、共同生活に関する財産分与や親権など、民法の婚姻に基づく規定が適用されることがあります。争いが生じた場合、裁判所に訴えることが可能です。

事実婚の合法化とその課題

日本において、事実婚を合法化する動きは少しずつ進んでいますが、法的な保障が不十分であるため、同性カップルや事実婚カップルにとっては、大きな課題となっています。特に、民法改正を求める声や同性婚に関する法律の整備が求められている現状において、事実婚カップルの権利保護は急務です。

事実婚を合法化するためのステップ

事実婚の合法化に向けては、民法改正が必要です。法律上での婚姻関係を認め、事実婚カップルにも法的権利を与えるための立法活動が求められています。これは、社会全体での認識や理解が深まることが前提となります。

事実婚における法的な罰則

現行法において、事実婚そのものに対する罰則は存在しません。しかし、婚姻届を提出せずに結婚のような関係を維持している場合、例えば扶養義務を履行しない場合や共同生活の一部として財産を隠すなどの不正行為があった場合には、民法に基づいて民事訴訟を起こされる可能性があります。また、社会保険や税務面で不正を行った場合は、税法違反や保険料未納に該当する可能性もあるため、法的な問題に発展することもあります。